シンガポールと日本

日本人に一番聞くのが好きな質問がある。「シンガポールはとても小さいとよく言われるが、どれぐらい小さいか知っていますか?もし、日本の47都道府県に例えると、どの県に当たると思いますか?」みなさんも考えてみてください。

日本人のシンガポールに対するイメージはだいたいひとつしかないーマーライオン。上半身がライオンの形で、下半身はなぜか魚の像で、とても不思議な動物というか、怪物ですね。殆どの人は知らないと思うのだが、シンガポールという国の名前はマレー語、またはサンスクリット語のシンガプーラという語源からきた。シンガプーラはシンガーとプーラという二つの言葉からなる。シンガーはマレー語でライオン、プーラは町という意味で、合わせて「ライオンの町」という意味になる。1324年に現在シンガポールの位置する土地を最初に発見した。サン・ニラ・ウタマという、当時マレー帝国の王子が、最初に見かけた動物は「ライオン」だということから、その島を「ライオンの町」と名付けたわけである。しかし、面白いことに、近代の研究によると、当時ライオンはその島に住んでいなかったそうだ。サン・ニラ・ウタマ王子が見かけた動物はおそらく虎だったということがわかった。マレー半島の最南端に位置する小さい島は今でも名前が変わることなく、「ライオンの町」と名づいている。

それから、マーライオン(mer-lion)とはマー(mer: 海)とライオンの合成物で、観光のために作られたそうだ。シンガポールという土地が発見されるまで「ターマセック」(Temasek:ジャワ語で「海の町」)と呼ばれたのだ。マーライオンはシンガポールには生存しているかと聞かれたことはあるが、マーライオンはあくまでも観光用のマスコットであるため、存在するはずがない。

それでは、最初の質問に戻ろう。シンガポールはとても小さいとよく言われるが、どれぐらい小さいか知っていますか?47都道府県に例えると、どの県に当たるでしょうか?アジアの経済を大きく貢献している先進国のシンガポールはどれぐらい小さいでしょうか?一度千葉県にある某高校でシンガポールについてのプレゼンをさせていただいたことがあって、あそこで高校生にこの質問を聞いてみたところ、「北海道」、「長野」、「東京」などといった答えが出てきた。

そしてもちろん大学の友達にも聞いてみた。その中今まで聞いてきた答えの中で(人数は数えていないのでわからないが)、一番良く言われる答えは間違いなく「わからない」だった。そんなに驚くほどの反応ではないかもしれない。地図を開いたら、日本という国の位置もサイズも一目瞭然かもしれないが、一方で、シンガポールは虫眼鏡を使うなり、相当努力しないと、パッと見ても見つからない。実際、シンガポール人の私でも地図でシンガポールの位置を探すには決して簡単なことではない。たまに、「シンガポール」という国名がその国自体と重なって見えないからだ。国名に隠れるほどの小ささなので、「北海道」という選択はありえないだろう。「長野」は北海道、岩手県、福島県に続いて、4番目に大きい県なので、「小さい」というカテゴリには入らないので、不正解だ。

一番正解に近い都道府県は「東京都」である。いや、正確にいえば、「東京都」の3分の1です。いや、プリントミスではない。シンガポールという国の面積は東京都の3分の1、もしくは東京の23区の面積に当たる。また、「滋賀県の琵琶湖」とも面積がほぼ同じである。関西の人には、「琵琶湖」と言ったほうがピンと来るかもしれない。東京都の面積は2100平方キロメートルである一方、シンガポールはだいたい670平方キロメートルを占める。恐ろしく小さい国である。東京都の3分の1の面積しかないのに、その540倍の面積を持つ日本の経済に匹敵するような実力を持っているなんて実に不思議なことである。この本は日本がメインとなっているのでシンガポールのことはここでやめるが、日本人によく驚かれる事実はたくさんあるので、シンガポールについての面白いトリビアを出しながら、このブログを書きたいと思う。

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