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Okinawa (沖縄)

47都道府県の最後に訪れたのは沖縄だった。観光スポットとして世界中で有名な日本の都道府県の一つである沖縄はなぜ最後にしたかというと、特に理由はありません。ただ都合上でずっと行けなかったので、大学最後の夏休みに時間を絞りに絞って沖縄に行く予定を立てた。沖縄といえば海がきれいなので、もともと友達と何人かで一緒にどこかのリゾートでまったりした旅行をしようと思ったが、友達が急用で行けなくなって、挙句の果てに私が一人で行くことにした。友達の免許でレンタカーを借りて自由自在に行動できたのに、私は運転ができなくて色々不便だろうと予想していた。確かに、沖縄には電車が走っていないことはわかっていた。沖縄にはバスがあるかどうかもわからなかった。沖縄の交通の事情を日本人の友達に聞いても、みんな首を傾げてわからないという。さらに、あの時お金の問題に苛まれていて、どうせなら冒険でもしようかと思って、ヒッチハイクで移動して夜はどこかで野宿することにした。

飛行機に乗って那覇空港に着くまで、どうやってヒッチハイクしたり野宿したりするかずっと考えていたけど、結局那覇市に入って気づいたのは、那覇市内、それから市外でも普通に路線バスと観光バスが走っているし、1泊1500円のゲストハウスを見つけたので野宿もせずに済んだ。沖縄は思った以上に発展しているし、みんなが言うほど不便ではなかった。

沖縄本島だけでも多数の観光地がある。那覇市内にある国際通りと首里城をはじめ、南部の沖縄ワールドと平和祈念公園、中部の琉球村、それから北部の美ら海水族館などがある。国際通りは戦後の焼け野原から著しく発展を遂げて、今やお土産屋と飲食店がずらっと並んでいる沖縄で一番賑やかな商店街になっている。長さはちょうど1マイルあることから、「奇跡の1マイル」とも呼ばれる。モノレールで県庁前まで行って、徒歩で5分ほど歩けば、とてもグローバル化した町並みが見えてくる。少し変わったTシャツやお土産の店から、ちんすこうや黒糖などといった沖縄の名物を売る店まで、それから伝統的な沖縄料理からマックドナルドやスターバックスなどといった世界中に広まったアメリカの飲食店まで、ピンからキリまでなんでもある1マイルである。

沖縄名物ゴーヤチャンプル

面白いことに、居酒屋やレストランには他の都道府県には決してない少し変わった特徴がある。それは、飲食店の多くでは夜になると、島唄や三線のパフォーマンスが披露される。ほとんどのパフォーマンスは有料だけど、一度入ってみることをお勧めする。居酒屋は日本中のどこにもあるものだけれど、食事をしながら島唄のパフォーマンスを楽しめるのは沖縄ほかならない。たまたまかもしれないが、私が入った店の島唄のパフォーマンスの質の高さに感動した。奇麗な歌声に痺れながら、知らぬ間に涙が出そうになった。もしかしたら、彼が昔の沖縄が懐かしくなるのと同様に、私も自分の母国のことを思い出して感動したのかもしれない。音楽を通して伝わる感動というのは国境を越えたものだね。トークの時間に、お客様はどこから来たかをパフォーマーが聞いたところ、「大阪」、「山口県」、「東京」、「神奈川県」、「宮城県」といった答えが出た。国際通りにいながらも、あのレストランに集まったのは国際的なメンツではなく、日本中から集まった観光客だった。沖縄は世界各国だけでなく、日本の各地からも観光地として脚光を浴びていることがわかる。

沖縄の居酒屋独特なパフォーマンス

「国際通りは長年にわたって色々変化してきて、今はお土産屋ばっかりになって売るものも同じで何の魅力もない」と、70代の夫婦が営むタコライスの店で食事を取っているときに言われた。この店は、車が右側運転だった時代の60年も前から開業していて、今のこの夫婦は3代目だという。年のせいか動きが遅くて耳も悪いみたいだけど、笑顔で接客してくれて、そして何気ない会話に昔のことを話してくれることで、なんか心の中が温かさで溢れてきた。

ご夫婦がおっしゃった通りかもしれない。国際通りは確かに賑やかで楽しいけれど、現代風に作られた雰囲気を感じずにはいられない。少し昔の雰囲気、または沖縄っぽい雰囲気に触れるには、国際通りの路地裏に行けばいい。国際通りの真ん中にある市場本通りに沿ってしばらく行けば、牧志公設市場にたどり着く。鮮明な色で新鮮な魚介類がずらっと並んでいて、好きな魚を選んですぐ調理してもらって2階のレストランで食べることもできるとか。魚介類以外にも、2階では沖縄の名物であるゴーヤチャンプルやナフテーなども堪能できる。

沖縄そば

日本人が沖縄に来て一番カルチャーショックを受けるのは恐らくその言語なのではないだろうか。沖縄弁と言われるけど、まず漢字の発音は標準の日本語とは全くと言っていいほど違う。那覇空港を出てモノレールに乗ったときから痛感した。沖縄には「読めない漢字」ばっかりだ。「安謝」と書いて、「あじゃ」と読んで「城間」と書いて、「ぐすくま」と読むとか。同じく日本にあるにもかかわらず、標準語とはこれだけの差があってとても面白いと思って、琉球村で沖縄の言葉をいくつかメモしてきた。

「ちばりよー」は「頑張れ」。「にふぇいでいびる」は「ありがとう」。いっぺーまあさんどー」は「とても美味しい」です。

おまけに、「ちゃあまじゅん」は「ずっと一緒にいようね」で、「かなさんどお」は「好きです」。沖縄弁で告白しようと思っている人には参考になるかもしれない。

ラフティー

ちなみに、那覇市にある唯一のモノレールの愛称は「ゆいレール」らしい。「モノレール」と沖縄弁の言葉である「ゆいまーる」が合体した言葉なのである。沖縄弁で「ゆいまーる」は「結回」と書いて、「助け合い」という意味である。沖縄のひとにとって助け合いの精神が大切だということから、「ゆいまーる」という言葉も大事なので、那覇空港から首里まで繋ぐモノレールのことを「ゆいレール」にしたということだ。

沖縄といえば、いい意味でも悪い意味でも取り上げられてしまうのは、米軍の基地の問題である。沖縄の日本列島の面積のわずかの1%を占めるというのに、75%の米軍の基地が沖縄にある。美ら海水族館に向かう観光バスのガイドさんが真剣そうに語っていた。家の屋根には4種類あって、それぞれ違う位を表すらしい。それから、米軍の基地には住宅も学校もあるから大きな面積を占めるという。民家はとにかく大きくてまさしく沖縄のひとにとって高嶺の花の住宅だとか。

タコライス

改めて沖縄を見てみると、海の色にせよ、沖縄の言葉にせよ、色々な面では日本のほかの都道府県とは違うことはわかる。しかし、やはり沖縄は日本の大切な一部だと思っている。沖縄弁の「ゆいまーる」という言葉の意味通りで、日本を海外へと繋げるだけでなく、日本の国民を一丸にする大切な架け橋だと考えている。米軍の基地にまつわる問題をはじめ、日本の教科書に綴られている沖縄の歴史の問題など、日本がこれから解決していかなければならないのだが、沖縄の「ゆいまーる」という助け合いの精神を持つことが大事だと信じている。

琉球村

美ら海水族館

奇麗な海