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Saitama (埼玉県)

埼玉にもメジャーな観光地はないものの、何気なく通ったりするところだ。

何年か前の夏に戸田公園の花火大会に行ってきた。

 

日本の夏は一番活気に溢れている。日が昇るにつれて、気温がだんだん上昇し、暑さが増してくる。足を踏むごとに、汗が額に固まっては滑って落ちる。めまいするほどの蒸し暑さに苛まれて汗ばんだ毎日を送っている。夜になると、少し涼しくなって、蝉の鳴き声に満ちた夜空の下で、右手にしている扇子を必死に扇ぎながら、左手にしているスイカをかじる。かじるたびにスイカの汁が垂れてくる。服が汗に浸みこまれて気持ち悪くなるたび、秋が待ち遠しいと思わずにはいられない夏には何が魅力なのだろうか?日本の夏の風物は幾つかある。花火大会、スイカ割り、海などなど。それぞれなくては夏を過ごした気分にはならないぐらい、夏の魅力といってよかろう。

日本の花火大会というのはとても面白いものがある。花火の言葉通り、花の形をするのが普通だが、たまにはアニメのキャラクターだとか、笑顔だとか、想像力と技術のこもった作品が現れると、観客は思わず歓声を上げる。花火が空にのろのろと登りかけてどのような形に咲くかを期待するドキドキ感、花火が空中に爆発した瞬間の興奮、それから形が崩れ空から垂れてきては消えていく切なさ。それぞれの花火が打ち上げられたときに、その瞬間だけ空に一つの絵になる。まるで広大無辺の空のキャンバスにペンキが塗られるみたいだが、その作品は一秒も持たずに瞬時に崩れるのだ。時には花が重なって綺麗な花束になる。時にはピンク、時には青、時には緑、空が鮮やかな色に彩られ、立派な絵画になりました。そして、花が消える寸前にチクチクと自分へ拍手をしたかのように鳴る。観客を喜ばせてくれるための、空と人間のコラボレーションは贅沢そのものだ。一瞬の花火が消えて一瞬の沈黙につくとき、観客からも「すげー」という一言が思わず口から漏れ、お礼の拍手が止まらなかった。

花火大会というのは花火が打ち上げられるその間だけではない。それ以外でも楽しみがたくさんある。花火大会の会場にずらっと並ぶ屋台やら、浴衣姿の老若男女やらも花火大会に不可欠な要素である。そして、チョコバナ、かき氷、焼きそばは花火大会には欠かせないのである。他の国と違うのは、花火大会の数時間前から会場に行って、屋台で食べ物や飲み物を買って、場所を取って花火大会開始まで食べながらワイワイ騒ぐのだ。花火の打ち上げはもちろんメインなのだが、それまでの時間を無駄にせず、仲のいい友達、恋人、家族と一緒に過ごすのは日本流の花火大会なのだ。